昨今話題のスマホと衛星の直接通信だが、そもそも衛星通信サービスというのは一昔前から存在した。
インテルサット(ここでは割愛。移動機端末は存在せず所謂パラボナアンテナをつけた特殊端末)やインマルサットという名前を聞いたことがあるだろうか?どちらも衛星通信サービスの名前だ。まるでイタリアのサッカーチーム名称のようだ!?
どちらも高軌道(地上から約3.5万キロの上空)で地球の自転周期と同期した静止衛星(といっても僅かながらには動いており、地球局の大きなパラボナアンテナ(30mとか!)は数ミリ単位で動かしているらしい! ← この話はかなり濃い話なのでまたどこかで)から電波を発射している。日本ではこのインマルサットとイリジウムでいわゆる地上波(Terrestrial Network)圏外の通信サービスを実現しているようです。
(KDDIのHPより抜粋)
で、インマルサット(InmarSAT)地球上の多くのエリアを全4機でカバー。北極や南極はカバーされていない(イリジウムは圏内)4機ってすごいよねー。さすがに半径6378.1kmの地球から約3.5万キロの上空で静止しているだけあって、カバーするエリアも大きいのか? この静止衛星は赤道上にあるので日本では南側のオープンスカイ(遮蔽物がなく電波が送受信しやすい)の使用が推奨されているようだ。でも3.5万キロも離れた衛星と通信するのだから端末もそれなり、、、???
で、BGAN(Broadband Global Area Network) です。こちらは専用端末。どんなもの? 以下の写真はKDDIのHPより。
グローバルカバレッジにおいて、音声通信はもちろんのこと、64kbpsのISDN通信、 2種類のIPパケット通信 (最大492kbpsのスタンダードIPパケット通信および最高帯域確保384kbps (上限約450kbps) のストリーミングIPパケット通信) をご利用できます、との事。64kbps ?? ISDN ?? Z世代には縁の無い話だ!(笑) 昔はこんな低速度でケータイ(ガラケー)でも通信していたんだなぁーと、少々感慨深い。
510の方は持ち運びにも適したポータブルタイプとあるけれども、基本的にはビルの上や船舶上、通信が遮断された災害現場、海外の地上波圏外等々での使用が想定されているようです。
でもって気になる料金はと言うと、2024年2月現在で月額1万円弱との事。個人が使用するケースは殆ど無いと想定(企業が使う)すると、基本的に通信サービス自体が本来無い場所での通信サービス提供だから、そんなものか!?という価格だろうか。。。
やっぱりスマホみたいな端末は無いの?と思われた方、探してみたらあるんです!以下もKDDIのHPからですが IsatPhone2 です(まるで iPhoneと間違えてしまいそうな名前です。
現代のスマホになれた世代からすると相当に特殊な端末に見える? トランシーバー?(知らないか?)音声通話のほか、ショートメッセージ・Eメール・GPS位置情報なども利用出来るようです。
海外の陸の孤島に派遣されてしまった悲しいサラリーマンの唯一の通信手段がこのIsatPhone2であったなら大変貴重なデバイスということになる。ただ基本はオープンスカイでの使用が条件ではあるが、建物内で使用する場合にはインマルサット用の屋外受信アンテナを設置して、そこから屋内にケーブルを施設し、屋内ではそのケーブルをドッキングステーションに接続することによりドッキングされたIsatPhone2を使用することが出来るようだ。なんとも大変だが陸の孤島では仕方ない。。。(続く)