前回の記事では、主にインマルサットの衛星通信サービスについて書きましたが、インマルサットは基本は据え置き型のBGAN端末がメインかと思われ、モバイル端末であるIsatPhone2がどれくらい使用されているか調べてみたいところです(Negativeな事を言いたい訳ではありません)
そこでイリジウムです。イリジウムは地上780kmの位置(低軌道衛星)に配置された66機の周回衛星で、極地を含む全世界をカバーしています。衛星までの距離が短いため遅延が少ないことも特長です。イリジウムの衛星携帯電話端末は小型軽量で持ち運びに最適であり、特に衛星携帯端末同士は地上のネットワークを経由せず、衛星のみを経由して行われます。そのため、地上の通信設備障害を受けずに利用できます。
さらっと書いてしまいましたが、この「地上のネットワークを経由せず衛星のみを経由して通信が行われる」という部分が重要です(下記KDDIのHPからの抜粋図を参考)
もし仮に世界の多くの地域で戦争などの非常事態が発生し、どこかで地上通信を経由して相手まで届くシステムであった場合、その経由している地上通信が何らかのダメージを受けて動作出来ない場合はエンドーエンド(目的の相手と)の通信が遮断されてしまいます。このような事態を避けることがイリジウムでは可能なのです。地球を66機の衛星でカバーし北極や南極までもサービスエリアとするイリジウムはまさに本当の意味での地球レベル通信サービスと言えるのではないでしょうか?
ただ勿論使用条件や使い方などの注意事項も存在します。下記のKDDIのHPをご参考までに。
そして気になる端末ですが、やはりトランシーバーみたいな感じですね(笑) KDDIのHPより(リンクあり) 私をスキーに連れてって(連れて行って)でスキー仲間がゲレンデで話しているときに使っている端末がトランシーバーです ← さすがに古い!
注意事項もあるようです。KDDIのHPには以下の記載があります。
イリジウム衛星携帯電話は、一部地域において電波天文観測所の天体観測に影響を与えることが懸念されているため、イリジウム衛星携帯電話の利用後に国立天文台に利用履歴を連絡する必要があります。ただし、防災訓練指定期間や大規模災害におけるご利用の場合、連絡は免除されます。
インテルサット、インマルサット、そしてイリジウムもスマホとは異なる周波数を使った(今となっては)特殊端末ですね。ではどの周波数を使っているのでしょうか? 次回はこれまでの衛星通信サービスで使用されている周波数を調べてみることにより、最新のスマホと衛星の直接通信との違いについて切り込んで行きたいと思います(とりあえず、ここまででこれまでの衛星通信は終わり)